引かれる税金・保険料はザックリと1割~2割?!
私は今年60歳。3年前に会社を辞めて、国民健康保険の支払いは今年でおしまい。そして年金を受給するのは6年後の66歳でと考えています。年金定期便で年金額は分かっています。でもそこから社会保険料や税金が引かれるのよね。いったいいくら引かれるのか気になります。
年金の手取りについての動画や記事をいろいろ拝見しますが、引かれる金額は1割くらいという内容から2割くらいという内容まで幅があります。それぞれ受け取る人の事情や地域によって変わってくるという事です。以前はどんぶり勘定で、2割で見ておけば間違いないと思っていました。
でもですね、物価の高騰など不安要素が多い中、正確に知りたくなってきました。1割と2割では大きな違いです!支給が月13万円だとしたら1割と2割では13000円の差があります。これはすんごい大きいです。
正確な金額が知りたい
それで私は自分の正確な年金の手取り額を把握するために、調べたのです。
調べた結果報告です。仮に札幌市在住、独身、扶養家族無し、支給額年間170万円、年金以外の収入無し、65歳以上で年金を受給開始とすると、いくら受け取れるか。
引かれるのは「国民健康保険料」「介護保険料」「住民税」「所得税」です。
国民健康保険料
まずは「国民健康保険料」からいきます。
年金支給額(170万円)―控除額(110万円)=所得(60万円)
下記の札幌市「国民健康保険料の目安」を見ると所得60万円の保険料は49000円くらいかな。
札幌市「令和5年国民健康保険料の目安・65歳以上の公的年金の場合」はこちら
介護保険料
つぎ、介護保険料です。
年金支給額(170万円)―控除額(110万円)=所得(60万円)
下記の札幌市「65歳以上の方(第1号被保険者)の保険料」を見ると、所得60万円の保険料は「第6段階」の「本人が市町村民税課税で、前年の合計所得金額が125万円未満の方」に相当するので79,661円です。
住民税
そして住民税です。
下記の札幌市「税額の算出方法」でやってみます。
年金支給額(170万円)―控除額(110万円)=所得(60万円)
所得(60万円)―社会保険料(前年度支払った国民健康保険料+介護保険料、ここでは上記で算出した128600円とします)―基礎控除(43万円)=課税所得(41,400円)
課税所得(41,400円)に税率をかけて、均等割額の5,000円をプラスします。
課税所得(41,400円)✕税率10%+均等割額5,000円=9,140円
住民税は9,140円となりました。
所得税
最後に所得税です。
これは国税なので、下記の国税庁「所得税のしくみ」を参考に計算します。
年金支給額(170万円)―控除額(110万円)=所得(60万円)
所得(60万円)―社会保険料(前年度支払った国民健康保険料+介護保険料、ここでは上記で算出した128,600円とします)―基礎控除(48万円)=課税所得(-8,600円)
この課税所得(-8,600円)に税率5%を掛けて、それに復興特別所得税(2.1%)1.021を掛けた額が所得税額ですが、課税所得の計算がマイナスで課税所得がなしということで所得税は0円です。
社会保険料と税金の合計
まとめますと
- 国民健康保険料 49,000円
- 介護保険料 79,660円
- 住民税 9,140円
- 所得税 0円
合計 137800円
170万円の137,800円は8.1%です。手取りは年間1,562,200円、月にすると支給額141.660円から11,480円を引いて、手取り130,180円ということになります。
手取り額は1割弱を引いた額
冒頭で設定した例で年金を受給すると、1割弱の8.1%が引かれるという結果になりました。
ちなみに年金受け取り初年度は、仮に前年の収入が控除額より低いと想定した場合、社会保険料は最低の23,400円です。控除額が減るので住民税と所得税は増え、引かれる額は年間153,250円となります。支給額の9%です。
社会保険料は地域差が大きい!
「ごっそり引かれるから覚悟しろ」みたいな動画や記事が多いですが、これくらいならなんだか安心しました。大阪に住んでいる場合の試算の動画は、年金180万円で14%引かれる内容でした。地域によってこんなにも差があるのですね!